富山 挨拶

赤ちゃんに優しいまちづくり

挨拶
森雅志
(富山県富山市長)

「第二回 母学会議」の開催にあたり、一言ご挨拶を 申し上げます。本日は、このように多くの赤ちゃん連れ の方々にご来場いただき、誠にありがとうございます。 私は赤ちゃんが大好きですので、今日、たくさんの赤ちゃ んを見ることができて、嬉しくて、思わず顔が緩んでい ます。

ご承知のとおり、近年、少子・超高齢社会の進行をは じめ、核家族化による世帯構成の変化や地域コミュニティ の希薄化などを背景に、地域の子育て力が低下し、子育てに対する不安や悩みを抱える子育て世代が増加していることから、誰もが安心して子どもを生み育てることができる環境づくりが強く求められています。

このような中、「第二回 母学会議」を本市において開催できますことは、これからお母さんになる方や既に育児をなさっている方はもとより、保育や教育にかかわる方など、多くの皆様にとって有意義な機会になるものと大いに期待を寄せております。

さて、本市は、本年4月に「こども家庭部」を新設し、 妊娠から出産、乳幼児、青少年に至るまで切れ目のない 子育て支援体制の強化を図るとともに、全国初となる市 直営の産後ケア応援室やお迎え型の病児保育室、こども 発達支援室などを備えた「富山市まちなか総合ケアセン ター」を開設するなど、社会全体で子どもを産み育てや すい環境づくりを推進しているところです。

さて、本市は、本年4月に「こども家庭部」を新設し、 妊娠から出産、乳幼児、青少年に至るまで切れ目のない 子育て支援体制の強化を図るとともに、全国初となる市 直営の産後ケア応援室やお迎え型の病児保育室、こども 発達支援室などを備えた「富山市まちなか総合ケアセン ター」を開設するなど、社会全体で子どもを産み育てや すい環境づくりを推進しているところです。

まちなか総合ケアセンターについて、少し紹介させていただきます。まず、産後ケア応援室というのは、出産後、急激な体調の変化がある中で慣れない育児に奮闘しているお母さんに寄り添いながら、お母さんが明るい気持ちで子育てできるよう助産師がサポートする施設です。

ここでは、ホテルのような空間のお部屋を5室設け、お母さんがお子さんと新しい生活を安心して気持ちよく過ごすことができるようになっています。

例えば、初めての育児で不安が多い上、お子さんの夜泣きなどで眠れず、育児に疲れ、うつになる方が多いと聞きます。そのような時、この施設では、お母さんからゆっくり休みたいというご希望があれば、お子さんをお預かりし、お母さんにしっかり休養をとっていただくことができますので、ぜひ施設を利用して元気を取り戻していただきたいと思います。

このような施設は、国内には、民営でいくつかありますが、市では、直営の施設にしたいという思いから、5年をかけて準備をしてきました。

国内で初めての市直営の施設ということで、国内外から注目をいただき、視察も多くなっています。

本年4月にオープンしてから、随分、登録者が増え、利用も順調に伸びてきています。料金は、1泊2日で3食、2回の間食を付けて7,200円、デイサービスであれば、 半日で1,800円などと、利用しやすい料金設定にしてあります。

何より、母子そろって安心して、施設をご利用いただいて、健康に子育てしていただくということについて、お役に立ちたいとの思いです。

次に、病児保育室について紹介いたします。この施設では、小学校就学前のお子さんが風邪をひいたり熱を出したりしても、保護者がお仕事の都合などで家庭保育ができない場合に、保護者に代わって、看護師や保育士が保育看護をしています。

また、市では、国内で初めての制度、お迎え型の病児保育も行っています。例えば、保育所などで急にお子さんの体調が悪くなっ た時、すぐに迎えに行ってあげたくても、仕事の都合な どでお迎えに行けないことがあります。そのような時、 保護者や近親者に代わって、看護師と保育士がタクシー でお迎えに行き、かかりつけ医などを受診した後、セン ター内の病児保育室でお子さんを夜7時までお預かりし ます。

本来、お母さんが迎えにいくのが一番良いのですが、働いている方々の中には、どうしても代わりに迎えに行く家族がいないという方はたくさんいらっしゃいます。本市が我が国で初めてこの制度を動かし始めたところであり、今後も必要な方に利用していただければと考えています。 このような取り組みを進めている本市において、「第二回 母学会議」が開催されますことは、誠に意義深いことと考えております。

今回は、パネルディスカッションをはじめ、アートパフォーマンスやワークショップ、母学トークなど、赤ちゃ んとお母さんのための多彩なプログラムに参加し、子育ての糧にしていただければと思います。

子育てにおいて、大切なことは、お母さんとお子さんとの見つめ合う時間をどうたくさん増やしていくかということだろうと思います。原点はそこにあるというふうに思います。どうぞ、いい子育てをしていただきますことを、心からお母さま方にご期待を申し上げます。

終わりに、開催にあたり多大なご尽力を賜りました総合プロデューサーの伊東順二先生をはじめ、東京藝術大学社会連携センター及びCOI拠点の皆様、並びにアップリカ育児研究所、そしてご協賛いただきました株式会社アトムの皆様方に対しまして、心から感謝を申し上げますとともに、本日ご参加の皆様方のご健勝とご多幸を祈念いたしまして、挨拶といたします。