おまもりうた

胎感芸術 おまもりうた:「誕生」

おまもりうたは小さな命を守るうた。この世に降りた小さな命をつむぐうたです。お母さんの体の中で聞く声をいつも、いつまでも体が覚えておくように、そして新たな命につなぐように、おまもりうたはどこからともなく聞こえてきたささやかなともし火を高く深く奏でる歌になりたいと思っています。心の時代を作るために、今一度お母さんの胎内で聞いた声を、音を感じていただければ幸いです。

音響環境制作 マザープロジェクト

楽曲コンセプト

お母さんのお腹の中に新しいひとつの小さな生命が誕生し、何度も細胞分裂 を繰り返しながら、新たな命が成長していく過程を音楽的・視覚的に作品に表 現しました。

お母さんの心音と共に流れる音の断片が、曲が流れ進むにつれ、音同士が組 み合わさり、それはあたかもお腹の中で赤ちゃんが成長していくかのように段々 と旋律を形成し紡がれていきます。

やがてそのメロディーは、お母さんを讃え、赤ちゃんの健やかな健康を願う「おまもりうた」となります。

作曲するにあたり、シンプルなハーモニーと旋律のみを使いました。お母さ んが赤ちゃんをあやしながら、自然とハミングで出てくる音楽はどんなものだ ろうと想像しながら作曲しました。誰もが一度聴いたらすぐに覚えることがで き、また気軽に口ずさめるような、温かで私たちの記憶に深く残る、新しい子 守歌「おまもりうた」になるよう願いをこめました。
また、今回は5.1ch サラウンドを用いた音楽制作にこだわりました。おまも りうたが私たちを包み込み、また胎内での思い出の再体験を目指しました。

(林 そよか)

音楽イメージ(企画書より)

おまもりうたが繰り返し、少しずつ変化しながら流れ

妊娠初期

映像: 映像は暗闇から始まる。そこにひとつの光(生命)が誕 生し、暗闇の中に現れる。

音楽: お腹の外の環境音は、こもって断片的に聴こえている。
(話し声や食器の音)
音が断片的に聴こえてくるが、まだ旋律の形を成していない。

妊娠中期

映像: 暗闇だったものが、段々と全体的に明るくなってくる。 ひとつの命(受精卵)は細胞分裂を繰り返し、はじめはひとつ の光だったものが、徐々に複数の光となって活発に動き始める。

音楽: はじめは音の断片だったものが、細胞分裂と共に様々に 変奏しながら旋律の形を成していく。はじめは単音だったも のが、徐々に音も増え重音となっていく。

妊娠後期

映像:より多くの光(細胞が)活発に動く。スクリーン全体が 明るくなる。

音楽:一番の盛り上がり場面。今まで断片的だった音が、ひと つの旋律となり、それは「おまもりうた」として壮大な音楽と なって歌われる。赤ちゃんがまもなく誕生することを暗示さ せるような場面。