パネルディスカッション 母と子の芸術 5

第一回母学会議

2016年10月21日(金)丸ビルホール

マザープロジェクト

おまもりうた:「誕生」

脳科学から見た芸術と倫理

基調講演

小泉英明

パネルディスカッション

「母と子の芸術」

パネルディスカッション 母と子の芸術

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新井:

ですのでその先生のお名前は、ちゃんと母子手帳にも記入してあります。ですからそういう周りの方の心遣いや優しさ、先生方のいろいろなアドバイスとか、そのようなことがやはり子育ての上では大切だと思いましたし、今、この本からも私はいろいろな勇気を与えていただいています。娘は22なのですが、私が母学を読んで感動して娘に話すと「ああ、そうなんだ」と聞いています。娘もいつか、子どもを産んで育てる時に、とても役に立つ良いご本をいただきました。私は娘に、「何かがあった時は、自分が死んでもあなたを助ける。私の命はどうでもいい、でもあなただけは助けたい」と言っていましたが、それはこのご本の中では、私自身の種の保存ということで思っていたんですね。私は愛情だと思っていたのですが、人間としての、生物としての種の保存の気持ちで、そういうふうに思っているんだそうですね。私自身、子育てはもっとこうやっていれば良かったと後悔ばかりですが、思春期に軌道修正ができるということも書いてあり、子育て中のお母様方にも大変参考になる良いご本です。

伊東:

そこでせっかくですから、その一節を女優、新井晴みさんの声で読んでいただきたいと思います。読んでいただけますでしょうか。

新井:

少しお聞き苦しいこんな声ですが、聞いてください。それでは、母学の中にこのようなところがあります。『赤ちゃんとは人間の「多様性、ダイバーシティの根源である」。赤ちゃんというものを生物学的にみれば、精子、卵子の遺伝子の組み合わせをもった新しい人間であって、その遺伝子に蓄えられた情報は、遠い人類の初めからのものです。そして、それは次の世代に伝達していかなければならないものです。新しい人間である赤ちゃんが育つ、あるいは赤ちゃんを育てるということは、その新しい遺伝子の組み合わせによる生存のプログラムに、順を追ってスイッチを入れることであると考えたいのです。』

伊東:

ありがとうございます。素晴らしい朗読でした。次に仁志田先生のお話をお伺いしたいと思います。

仁志田:

私は新生児を45年間診てきた経験から、小泉先生のお話にもありましたように、お腹の中の赤ちゃんは既に40億年の生命の情報と素晴らしい能力を持っていて、もしかしたら僕よりも何十倍も何百倍も頭がいいかもしれないと思っています。赤ちゃんは10cm の産道を通って産まれてきます。その生まれる時は人間にとって、死そのものを除けば、一番死に近付く時といいますが、同時に素晴らしいターニングポイントです。